自伐型林業への道
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匹見・縄文の森協議会について---2012年3月設立4年目へ(半農半林へのアプローチをサポート)

ロープ架線とPCウィンチによる長尺材搬出

 本サイトの管理者はと申しますと、26年度は津和野町の委託事業でコーディネータを務めさせて頂きましたが、3月末からは島根県全体で自伐型の林業を推し進めるべく画策を巡らせているところです。当面は自分が主宰する匹見・縄文の森協議会の活動を整えて、其の上で情報発信を行ないたいと思います。以前よりアウトプットする事は山の様にあるのですが、ずうっと業務と地域のことが忙しくてそのままでした。


 沢山お伝えする事はあります(例えば、鉄骨の入った家と木造の家では、家の中の地磁気の安定度がまるきり違い、自分自身の体調に影響が有ったので、自分 自身で地磁気測定器などで計測して確認。また静電気測定器で、新建材の測定などを行なっている。その計測している数値を含めた画像を載せたい)が、まずは 新たに山仕事に取り組もうという方々の役に立てる様に、もっと詳しい部分、実際にどういった道具を使っているのか、どの様に使うのかといった点を、より詳しくアップロードしたいと思います。

林内作業車によるイチョウの木の搬出

 26年度は、津和野町に於いて都市部からの人材募集を行い、体験講習を繰り返し開催した後に、就任した若い人達の体制づくりと研修などを行ないました。 道具立てもその一つです(山仕事は道具ありきですからね。7年くらい前にも全 林協さんで出版されている道具の本にも書かせて頂いた事がありますし...)。

 自伐型の林業の道が拓けたのも、土佐の森の軽架線キットと林内作業車により一般の方々にも重たい材の搬出が出来る事が分かったからからでしょう。土佐の森救援隊と中嶋健造氏の働きは甚大なものがあります。
 PCウィンチによる搬出

 そして、その後、様々な小型機械を応用して使う事で、 コストバランスの高い小規模自営型の林業が可能だという事が、更に多くの方に理解される様になってきています。片手で持ち運び出来るエンジンと、100mロープの組み合わせのPCウィンチ然り、また3tバックホーにグラップルが装着出来る事然りです。

軽トラを動力に、動滑車による搬出。この材は10m長

 当協議会では、PCウィンチとロープ架線システム、そして1.2t積みの林内作業車と土佐の森軽架線キットを設備していますが、そういった道具を持たない人達、つまり木の駅プロジェク トからもう一歩進めて自伐型に移行しようとする方々を対象に、一般の人たちが取り組み易い搬出方法の提案をしています。

3倍力滑車とロープ、スキッドコーンによる人力積込み方法。直径 40cm2m長杉材。積んでいるお方は80歳ちょっと前の女性!格好いい。
横にスペースが有れば、下の方法が超楽々。此のくらいの太さならば、女性一人で何の苦労も無く積める


 県の林業普及スタッフの方々の後押しを受けて、島根県各地でロープワーク研修を行い、安全で楽な掛り木処理の方法と共に、本ページに掲載した内容のお金を掛けない搬出方法、積込み方法の講習を行いました。雲南市で4回、津和野町で1回、飯南町で1回、江津市で1回行ない、この三月末には奥出雲町で1回行いました。


 此れ等の方法は、取り敢えず軽トラで行なっていますが、2t車でも同様の手法が使えます。2t車なら3m材が積めますので、A材B材を市場に出荷する所 まで可能とします。
 もし人力で厳しい場合には、プラロックなどのハンドウィンチ(1t引き)や電動ウィンチ、場合によっては他の軽トラなどの車両の力を借りれば大丈夫。スリングベルトと、スナッチブロック(ロープ用)とクレモナ(ホームセンターにあり)などの丈夫なロープ(12mmで運用荷重700kg程度)が有れば大抵の事は出来ます。
  お陰様で、受講者の方々にもお役に立っている様子ですし、行政の方々にも住民の方々による材の搬出のための道筋が見えて来たと言ってもらえます。

橋本林業さんの山は歩いていても楽しい!神々しい生命力のある山。癒され ます

 自分自身、徳島の橋本林業さんにも2回伺い、更には高知にも行き、そして昨年末には企画をして津和野町に橋本さんご夫妻を招き、講演会と作業路開設の研修を行なって頂きました。

 私見ですが、林業の歴史の中で、家族経営の小規模林家として革新的だったのが橋本林業さんだと思います。専業でない一般の山主さん達にとって参考値になる取組み方法でしょう(元銀行マン:7000万円の相続税を支払った100haの山を奥さんと二人、3tバックホーと2t4WDダンプのみで施業。
 13 年前より息子さんが手伝い、35km以上の高密度路網が入っています。今では年間120日働くだけ、1日数本の木を出すだけで四世代が楽々暮らしておられる。奥様も女性だけの林研グループで活動され、女性ならではの視点も入る羨ましい家族林家です。

 三人とも、決して体格がいいとは言えず(奥さんもチェンソーで木を伐られるが)...失礼! 橋本さんご家族と接すると林業そのものへの考え方が変わります。やはり、山仕事は知恵と工夫が大事かと。それには山に生かされ、山に守られるだけの人格、人徳、理念が必要でしょう。
 橋本氏曰く、「大橋慶三郎先生に教わったのは、技術的な事は2、3割。あとは人間とはどうあるべきか。」という人としての在り方のお話が殆どだったとの事。此のことについては、事故、怪我が多い場合の安全管理に関連する事かと思われます。(※)
 因みに路網の草刈りもしなければ、自然生えが多いので苗を植える事も少ないそうです。また、混交林となっていて適正間伐がなされた空間に余裕が有るエリアに生える太い樫の木は、一瞬針葉樹と見まごうほど真っ直ぐに育っています。

 橋本さんご夫妻の取り組み方は、自伐型の林業としての理想的ですし、山に優しい壊れない高密度路網が入る事が一番楽で合理的と強く思いますが、それでも山の状態や、山主さんの資金の具合により、山主の誰でもが路網を直ぐに施工できるとは限らないのも事実です。

 此の萌芽しつつある自伐型林業の裾野を更に広げるため、そして自分の様な(まだ)山を持たない移住者が地域と連携してお金を掛けずに材の搬出を安全に楽に行なうためには、本ページも書いた様なアプローチも併用して、前段階としてそれぞれの状況に合ったやり方を見つけ出しつつ、次のステップを展開して行く事が、今後持続的に楽しみながら山への取組みを続けられることに繋がると思われるのです。

取組みのプレゼンや作業の机上講習など
5mmの細引きロープ(破断強度400kg程度)で作るスリングロープは、掛り木処理やロープでの積み込みの際に重宝する


 例えば、乾燥した2mの孟宗竹二本程度があれば、150Lの水が40分程度で80度以上になる二 次燃焼機構付きの無煙ステンレス製湯沸かしボイラーがある(右側:薪でもよし)。左の無煙薪ストーブは、欧米製の機種と違い、高温になる松や竹も燃やせる上に、二時燃焼機構ももっていて燃焼効率の良い優れもの。
 両方とも㈱モキ製作所(営業主任:深澤さん携帯080-5147-7476 九州から東北など各地へデモンストレーションに来てくれる)という信州の会社のものだが、引っ越したばかりでまだ設置が出来ていない。写真左下に焚き口が見える様に当家のお風呂は薪で炊くものなので、冬に向かって薪や竹の用意 が忙しい。
 当協議会はモキ製作所の特約店であり、2年前から島根でのイベントを行なったりデモを行なっている。
 モキ製作所さんFacebook

 また、自伐型林業という切り口だけでなく、我々の様な農的なエコ生活を行ないたくて農山村に移った人達が、自分たちに必要な山の資源を安全に伐って、そして山から出して来て、自分たちで利用する為の基本的なノウハウにも関わります。

 山で暮らせる若者が増えれば、力づくではない林業、山と地域を守り、(豪雨出水時の)下流域の安全を守るための山造りが出来て行くのではないでしょうか。山守は山に棲まねば為せないのは当たり前。
 今はネットがあり、小水力や太陽光発電、また竹 を燃料とするボイラーなどがありますから、楽々山生活が可能です。あとは、重たい山の木を安全に伐って出して来られれば、其の先の可能性に希 望が持てるのではないでしょうか?

 さて、別サーバーのサイトには、匹見・縄文の森協議会の活動を紹介する準備はしてありますが、ずっと時間が無くてそのまま放置状態になっております。此方のページの方が情報が新しい状態です。

 今回、全林協さんの原稿を仕上げるにあたって、当協議会の紹介をどのように書いたら良いかというメイルを編集のご担当の方(7年前にもお世話なった) から頂いて、返信の中で下記の様に紹介させて頂きました。
 本来ならば、件のサーバーに明記すべきなのですが、ページデザインから全部変更しないとサイト構成が出来ない為に、暫定的に下記にコピペさせて頂くご無礼をお許し下さい。
 此の様な目的の為に設立した協議会です。2015年、此の春から時間が作れる事になったので再発進します。宜しくお願いを致します。拝

※事故、怪我などの安全管理について:拙い経験ではありますが、事故、怪我が多いタイプの人に見られる傾向は、不満心が強かったり(感謝の気持ちが薄いという事ですね)、攻撃的であったり、被害者意識が強かったり(被害者の振りをして攻撃をするタイプも)、言うことと腹の中が違ったりするなどの心的要素が有る様に見えます。

  つまり、深層心理でいうところの表層意識と潜在意識の整合性が採れていないとか、感情のマネージメントが出来ていない人でしょうか。脳生理学でも、論理的な左脳と直感的イ メイジ思考の右脳との記憶内容やプログラムの整合性が採れていない人は、失敗傾向があり自己処罰的行動にも繋がる事が分かっています。此れ等の傾向は、人生で 厳しい判断を迫られるときにも顕著に出ますが、エキストリーム的なスポーツや、林業等の山仕事にはもっと分かり易く出ます。

 体験講習などを行なっていると、面白い位にその人の素養や精神的特質、物事に対する処理プログラムの意識の偏向性などが浮き出して来ます。例えば、東大卒の人にチェンソーワークを教えたときに、人柄が良い彼は、「分かりました!」と勢い良く習った事をやろうとするのだけれど、実際は全然頓珍漢な事ばかりをして他の人の笑いを誘っていました。わざとですかね? 勿論、初めてチェンソーを触ったということを考慮に入れた上です。
 他には、初めてにも拘らず言った様に動作が出来るのだけれど、先ず自分が納得しないと行動に移せない人とかも居ますね。阿吽の呼吸で連携が必要な場合がある山仕事を一緒にやりたくないタイプです。
 また、素晴らしい位に言った通りの受け口と追い口を作れるけれど、何事も指示待ちで自分で仕事を探せない人も居ます。此れ等の人が、自分自身の意識プログラムを転換して、他人の動きを察して作業段取りをしていったり、熟練者から技術を盗み取ったり出来る様になるには相当の努力が必要でしょう。まずは、他から学べる心の姿勢があるかどうかですね。自我が強い人には無理かもしれません。

 山での仕事は、段取りが八分であり、道具や環境の整理、道具や資機材のメンテなども大事です。実際、木を倒すのにも、仕事の流れや目的を考えてどの様に倒すのかというのも、時間軸上の仕事の流れがイメイジ出来ないとなりません。また、 倒す際にも目先の事だけでなく、枯れ枝が落ちて来ないかとか、他の作業者を危険に巻き込まないか等も含めて空間把握が出来ていないとなりませんし、何か違和感 のある音が聞こえたらとっさに反応出来る様な心癖も必要です。

 本当に山仕事が出来る人達というのは、論理もしっかりしているし、感覚的なことも常人以上に素晴らしいものを持っています。そして、厳しい仕事をされてきていますから人間的にも磨かれています。動植物も大事にし、山も地球も仲間も大事にするような、本当に頭が良く、賢い人達だと思います。 きっと愛情深いのでしょうね。差し出すものが還って来るのがこの世の法則の一つですから、山にも木々や植物の精霊にも愛されているのかもしれませんね。

 逆に言えば、山仕事は人間を鍛えるには、非常に恵まれた条件を持っていると思います。と申しますのも、自分の昔からのお付き合いのある方は、都市部で企業人相手の能力開発の仕事を長年行なって居り(著書多数、TVでも度々紹介)、自分自身もそれらの能力開発プログラムを学んで来ましたけれど(此の程度なのは、元が今一だからです...)、山仕事はそういった能力開発に通じるところが多々有り、その上即、身入りになるという素敵な仕事に思えます。今度、能力開発の指導を行なっている其の方に、スペシャルプログラムとして自伐林業体験をコースに入れて貰う様に提言してみましょうか。

 さて、自伐型、副業型の林業は、他人の都合に追われる事無く、自分自身のレベルに応じて段取りや作業内容を選べますから、ステップアップして自分自身を高めて行くには非常に優れた取組みだと思われます。それが山の生態系や地域を守る事に繋がったり、地球環境に貢献できるのなら我が身にあまる光栄ではないでしょうか? 感謝と畏れの気持ちと共に、矜持をもって取り組む事が出来れば幸いです。拝

メイル転記:匹見・縄文の森協議会活動紹介に代えさせて頂きます

> (webサイト内で活動内容を見つけることが出来なかったので、
> すみません)
 一応、画像(毎年の年賀状)には、それらしい事を書いているのですが抽象的で分からなかったですね。
 当協議会は、都市部の人達で山村に暮らしたい人相手に、安全なチェン ソーワークから、伐木、搬出、用材利用までの講習を行い、山村で暮らせる人達を育てる事が目的で設立しました。
 其の講習の中で、地域の人達との交流を生み、山村暮らしの豊かさを味わってもらい、ひいては地域への定住化が促進出来れば万歳というものです。

 匹見町をはじめ、石見地方から東部の出雲地方(は少ないですが)まで都市部からの移住者は数多く居ます。また地域おこし協力隊も沢山入っています。
 其の中でも、農だけでなく林の方の技術を身につけたい人達は少なからずおりますし、また都市部には同様の人達が沢山おられます。
 そういった方々に、宿泊型(内谷地区には農家民泊がありますし、40分くらいで行ける所には素晴らしい温泉宿の裏山でも研修が可)のお金を掛けない林業へのアプローチ体験をして頂ける様になっています(が、忙しくてそちらの情報発信さえも出来ていなかったのがあ今までなので、4月以降に再発進をしようということです。連休にはプログラムを組んで体験希望者を募集したいところなのですが...)。

 また、県内の市町村で森林資源活用を始めているところには、同様の提案をして、都市部の人達が体験しながら、自身が農山村で暮らせるかどうかの判断をするためのプチ林業体験プログラムを展開する様に促しはじめたところです。

 つまり、自伐型林業へのロードマップを描ける様に、実体験をして貰う機会を増やし、高齢化、過疎化まっしぐらの自然豊かで食べ物が美味しい島根県が、都市部の人達の受け皿になり、移住してもよし、体験して次への人生展開のステップにして貰うのもよし、とい う場所にして行きたいと思っています。

 農的自給は、自分も色々やっていてそんなに難しく無い事ですし、1年サイクルでお試しが可能ですけれど、こと森林資源活用と自給については内容のレベルと危険度が高いので、適性の向き、不向きがありますから、農村で暮らしたいと思い、いきなり地方に移住して森林組合などで働こうとして仕事を探しても誰もが可能な訳ではないと思います。

 でも、自分たちのペースで、山から木を伐って出して来て利用することが出来れば、農的暮らしも、より豊かで自由度が高まります。地方移住希望者の中には、様々な資格を持っていたりネットがあれば暮らせるスキルがあったりする人も居られますので、仕事的には山奥でも暮らせる人達が少なからず居ます。其の様な人達は、農的に暮らしたいことと共に、放置された山に心を痛め、自分たちでも山の資源を活用して森林保全ができればと考えている人も大勢居ます。

 誰でもしっかりとした指導者につけば、太い木でも伐る事は出来ます。でも、いざ重たい材を山奥から出すとなると話しは別です。それが、ある程度の道具で家まで持って帰ることが出来るとなるとどうでしょう。そうすれば未来ヴィジョンも開けて来るのではないでしょうか。
  とは言ってもやってみない事には自信が持てません。今までの生活を抜け出して一歩踏み出す為には、まずは体験をしてみることからでしょう。
そういった体験をすること、地域をみること、山の人と交流することなどで、山村暮らしに自信が持てるかどうか、可能性を見いだせるかどうかの機会を提供することが当協議会の目的です。

 また、こちらの地域は水が奇麗ですし、(畑)ワサビの掘り採り体験や、トチ餅づくりなどの体験講習も開催されているところです。
とちの実会という、地域のオバちゃんたちのグループ(嫁さんも手伝いに行って居た)は、美味しんぼにも採り上げられて漫画になっています。
その会長が民泊を行なっております。

  そして此方の地域では、イノシシも旨い水と広葉樹林(森林の広葉樹率が60〜70%の地域が多い)の旨い食べ物を食していますので、肉がかなり美味しく、 四国から来た人にも絶賛されるくらいです。お米も、気候の寒暖の差がありますし、お水も良いので可成り美味しいです(狭い地域でも結構差がありますけれど)。

  ところが、山のものだけでなく、こちらでは海のものが半端無く美味しいです。浜田市を境に海流が違う様でして、益田から萩に掛けての海のものは東部よりも更に美味しいみたいです。

 こちらには、萩・石見空港があり、車で40分位です。45日以上前に予約すると格安になります。また、深夜バスは、東京と大阪からの2便が あり、車で30分程度のところまで来ます。東京からは12000円強、大阪からは8千円弱で来られますので、本気度が高い人だったら来られない範囲ではな いでしょう。新幹線ならば、広島まで来てバスで、または新山口まで来て山口線で益田方面に出る事ができます。

 さて、能書きが長くなりました。以上の様なことは、紙面では紹介しきれないことなので、下記の内容でお願い出来ますでしょうか。

高濱徹(匹見・縄文之森協議会)
島根県林業研究グループ連絡協議会 / 島根県森林インストラクター。2011年、神奈川県から夫婦で過疎の山村に移住。匹見・縄文乃森協議会では、ワサビの産地、匹見町内谷地区を中心に県内全域で、 山主さんや移住希望者向けに安全に楽々行なう森林資源自給と活用の為の各種ノウハウ講習会を展開中です。
匹見・縄文の森協議会(http://www.assist- pr.com
自伐林業への道(http://www.synchronix.gr.jp

 


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